作品の一つ一つがすばらしいという一言につきます。
大勢の人々で賑やかでした。
芸術とは、様々な技法で表現されるものだと思いました。
表現の仕方は様々ですが、私が非常に興味をそそられた作品は、最後のブース「現代美術」に展示されていた「Still Life(静物)」(2001年)、作者はSam Taylor-Johnson(サム・テイラー=ジョンソン)です。
この作品は、絵、版画、写真ではありません。
サイレントムービーのような作品です。
つまり画面が動くのです。静かに少しずつ変化します。
何が表現されているのかというと、果物や野菜がテーブルに置かれて、微生物の作用で本当にかすかに静かに腐敗していき、原形をとどめなくなってしまい、消滅してしまう模様を35ミリフィルムで撮影し、それを3~4分程度に短縮してビデオに変換した作品です。
「あらゆる生物は、こんな風に微生物によって分解・消滅していくのだなあ」と改めて目の当たりにして
感動しました。
しかしこの作品は、これだけで終わってはいません。
駆逐した果物や野菜のそばに置かれたプラスチック(ボールペン)は全く変化なくそのまま原形を保っています。
プラスチックは人工のものです。
人工のものは消滅せずに「クズ」になってもこの地球上のどこかに残っている、
そして地球を汚していることを、わかってはいても改めて確認させられました。